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キャットフードを変える基準とは

猫の食いつきが悪くなったり、アレルギー疾患などが出たりしない限り、飼い主の気まぐれでコロコロとフードを変えるのは望ましくありません。
味わうというより栄養摂取と空腹を満たすための食事をする猫にとって、同じフードを食べ続けることは苦痛ではないのです。
【総合栄養食】と表示されたフードであれば、栄養素が片寄る心配もありません。
にもかかわらず、猫の生涯を支えるにはフードを切り替えるべき時期もあります。
それはいったいどのような時なのでしょうか?

それは猫の成長に合わせたキャットフードの切り替え期です。
まず幼猫用キャットフードは主に生後2ヶ月(離乳期)から1年の猫用に作られています。
猫は生後1年で人間で言えば20歳程度まで一挙に成長します。
その成長スピードを支えるには多くの栄養が必要になります。
従って幼猫用キャットフードは、成猫用のものにくらべ高カロリーで栄養の密度も高いのです。

続いて成猫用キャットフードは主に1歳から6歳の猫用です。
子猫の時期に多くの栄養を補給して成長した猫は体が安定期に入りますので、幼猫期に比べると必要なカロリー量は抑えられます。
なので成猫用キャットフードは幼猫用に比べれば栄養密度、カロリー共に低く抑えられています。

老猫用フードは主に生後6年以降の猫用です。
猫にとって6歳という年齢は人間換算で40歳に当たり、徐々に全身の代謝量や運動量が減ってきます。
ですから必要なカロリー量も少なく、カロリーの代わりに不足しやすい栄養素(例えばグルコサミンやコンドロイチンなど)が加えられたフードを与える必要があるのです。

基本的にはこの三つを猫の成長に合わせて切り替えてやれば良いのですが、キャットフードにはもう一つ上記の三つの時期を網羅するタイプが用意されています。
これはフードを切り替える必要がないので、猫の食いつきに関してあれこれ悩む必要も、次の段階のフードにどのメーカーの製品をチョイスするかで迷うこともありません。

つまりキャットフードを猫の成長面から区分すると、幼猫、成猫、老猫用と、その三つの世代を通じて与えることのできる四種類のフードが用意されているということになります。

これらのフードの切り替えの必要性や切り替え時期に関しては諸説あって、厳密に守るべきだという意見から、給餌量さえ調節してやればフードを分ける必要はないといった意見をとなえる人もいます。
そのどれが正しくてどれが間違っているということはありません。
ただ、愛猫の食生活を良く観察していれば、フードを残していたり、逆に全部平らげているのに何となく痩せたように感じたり、毛艶の変化に気付くでしょう。
その時、適切に対応することが大切です。特に室内飼いの猫ちゃんは、一生のうちに身体に取り入れる栄養の全てを飼い主の手に委ねるしかないのですから。