目安量

ウェットのキャットフードは割高?

最近はスーパーやドラッグストア、コンビニなどでも多くの種類のキャットフードが売られています。
良く観察すればわかることですが、ウェットタイプの代表格(いわゆる猫缶)には一缶七十円前後のものもたくさんあります。
にも関わらず私たちはなぜかウェットキャットフードが割高な印象を持ちます。
これはなぜでしょう?

一つには、最も安価でどこでも手に入るドライフードが非常に安価な点が挙げられます。
数キロで千円を切るプライスとくらべれば、たいていのウェットフードが高く見えてしまうのは当然です。
こうした刷り込みと、ドライフード=インスタント食品、ウェットフード=生鮮食品というようなイメージが絡み合い、また高級感を前面に打ち出したテレビCMなどの影響もあって、ウェットフードはドライフードより割高だと考える人が増えている気がします。

これにはウェットフードの多くが、開封後の鮮度を保つため缶詰やレトルトパウチといった容器に数十グラムといった比較的少量でパッキングされていることも影響しているでしょう。
買い物時の利便性を考えてか、確かに缶詰などは厚みが薄く、見るからに中味が少なそうです。
ですが、開封して壜などに詰め替えるとわかりますが、かなりの密度で封入されているため、意外とかさはあるのです。

もちろん、肉汁等の汁気がない分、同じ重さではドライフードの量の方が多くなるのは事実です。
しかし考えてみてください。
肉汁は猫が好む、大切なフードの成分です。
特に噛む力や歯自体が衰えてきたシニア猫にとって柔らかく、消化もいいフードを与えるメリットは大きいと言えます。
単に内容量と価格を換算してドライフードが経済的だと決めつけるのはナンセンスというものです。
ドライフードであっても、幼猫、成猫、老猫用と細かく用途が区分されたり、諸疾患を改善する療養食としてのものにはキロ数千円するものもあります。
ウェットタイプのフードだから割高、ドライタイプだから経済的という単純な区分はなく、ウェットタイプであれ、ドライタイプであれ、値の張る製品はいくらでもあるのです。

キャットフードの経済性は、特に多頭飼いをされている方には切実な問題です。
しかし、私たち同様、食生活は猫ちゃんの健康、ひいては寿命にも大きく影響します。
たとえ大変経済的であっても、もしそのフードがオシッコの問題を始めとする内臓疾患を引き起こした場合、かなりの治療費がかかります。
ドライだから、ウェットだからといった量と価格の単純計算ではなく、猫ちゃんの健康維持費も総体的に見据えた中から、私たちは彼らの飼育に関わる経済を追求していかなければならないのです。